むかしむかし、
深い森に囲まれた小さな広場に、5人のヒトがやってきました。
1人は言いました。
「この地に理想の国を作ろう」
4人は頷き、この広場を国の中心としました。
5人は広場で話し合いました。
国名を『ミルド国』と定め、
最後に、それぞれの役割を決めて、領地を5つにわけました。
北はランドル地区、ニマルナ・テュスール。南はカルミ地区、メイヴィス・トォ。
西はネイ地区、クリス・キグリル。東はベールキル地区、ゾーラ・ドキース。
そしてこの広場を中心とした中央部をトゥース地区、マオナール・ロヴェが守護することになりました。
そして5人はわかれました。
「助けがいる時は、必ず駆けつける」
と、交わして。
長い月日が経ち、
それぞれの領地『地区』と呼ばれる所も開拓され、
民が増えつつあった日、
マオナールと、クリスは愛し合っていた。
それを民は祝福し、他の領主も喜び合っていた。
ゾーラを除いて。
ゾーラは2人の嘘の情報を流し、
やがてそれは争いへと発展していった。
争いは日に日に悪化し、やがて極限まで達した時、
マオナールが亡くなった。
悲しみに我を忘れたクリスと他の領主、さらにトゥースの民も協力し、
原因をつくったゾーラと領地全体を封印した。
そして争いは終結したのだ。
悲しみだけを残して。
領主を失ったトゥースの民は、他の4つの地区に移住し、
ミルド国の地区は4つとなった。
それから500年。
平穏な日々が流れ、過去の戦いの事などおとぎ話になってしまった時、
ベールキルにかけられた封印が、少しずつ少しずつ解け始めていた。